道場主と太田編集長が突撃取材にいらっしゃいました

   大雨の中、水溜りにはまりながら練馬の井上宅に行き、庭にブランコとかあったり子供のおもちゃがたくさんある「マイホーム」の雰囲気に圧倒される単身生活者・孤独なアパート住人・プレカリアートの藤田は、「俺は結婚してもこういう家住めねーんだろうなぁ。そもそも結婚したり子供作ったりする金ねーなぁ」とか思いつつ、「カミさんに借金してるんだよ」と金がないとかいう井上さんに、俺のほうがないんじゃボケとか思ったり。まぁそんな家庭的な雰囲気に圧倒されつつ、一時間早く行き、取材の準備や打ち合わせをしようと思っていたら、井上さんのお子さんに折り紙で「ぱくぱく」を作らされた挙句、自分が作ったほうのぐちゃぐちゃのと交換されたり、手裏剣を作らされたり、野球の相手をさせられたり、滑り台を駆け上がるという「すごいわざ」を見せられながら、まぁいいかと遊ぶ。お兄ちゃんに、「取材の人が来たら、プラスチックのバットで叩きなさい」とそそのかしたが、照れてやらず。それじゃ芸人になれないぞ。
   複雑な練馬で迷子になりながら取材の一行が遅れてご到着。うわー、家庭に合わねーな、この「取材陣」の黒い感じ。押井監督の「ケルベロス」みたいになっている。そしていきなり、東ブログでも告知されているとおり、衝撃の事実が明かされ、まずは驚愕からスタート。そして取材を受け、内容を見ていただいたりして、褒められたところとダメだしをされたところと多数。太田さんに内容は褒められまして、あとはレイアウトというかアウトプットというか外面なんですが、初めてインデザインを使っている私藤田が、ネット感覚の「容量無限大」で原稿集めしたため、一時期は96ページの「エクス・ポ」になりかけていたのですが、ギリギリ回避で、文字は10ptぐらいでなんとかしようという感じなのですが、全体が「黒い」のはご勘弁を。「お経みたいな紙面になる」と言ったら東さんに「異様なものが出来る」「絶対あとで後悔する」「その場で買う人にキャッチーな」とアドバイスされ、仕方がないので出来るだけキャッチーにしようと思って写真とか入れましたが、限界がある。だって他のチームは現役プロ編集者とかだもん! 見た目で負けるのは目に見えている。その辺、全力で頑張りますが、ご勘弁ください。改善に手を尽くしています。
   フォントサイズを変更して余白をギリギリまで削った結果、我々の論も載ることになりそうで、今考え中です。参考資料を色々読んでます。『ブログ論壇の誕生』(ぴかさんおめでとう! 嫉妬で心がいっぱいだよ!)とか、『インターネットコミュニティと日常世界』とか。
   そんなこんなでダメを出され、隣でずっとお子さんが井上さんにじゃれついているのに東さんすごく食いつき、太田さんからは「ターゲットをひよった」と指摘されるが、確かに僕等の同人誌は「場所」といいつつ地方とかメインで、東京の人に地方のことを伝える一方で、地方の人にこそ読んで欲しい、ケータイ小説読者とかに読んで欲しい、という気持ちもあったのですが、「東京までは来ないだろう」「批評の読者層として開拓するべきだが文学フリマまでは無理」というブレーンなどとの相談の挙句、今の形になっているのです。可能ならば僕はDL販売とかしたほうがいいと思っていて、出来れば地方都市の人とかに読んでもらいたいんですが、それはオッケーがでたら考えます。ゼロアカの得点とは関係なくですね。
   30分ほどで、わーっと次の取材先に向かう道場主と編集部の方々がいなくなり、我々は呆然としながら改善の方法を考え、とりあえず全力を尽くすというつもりで、執筆者の方々に写真を送っていただいたり、印刷所にどこまで余白とかフォントのサイズとか大丈夫なのか問い合わせたり、かなりギリギリでやっています。しかし内容は太田さんに「よくできてる」と言われたぐらいで、結構自信があるのですよ。僕の力というよりは書いてくださった方々の原稿やインタビューを受けてくださった方々がすばらしいので。これを台無しにしないで出来るだけ読者の元に届けられるよう、力の限り頑張ります。と、閑静な練馬の庭付きマイホームを後にし、バスに乗り、電車に乗り、アパートに戻ってきて、孤独な六畳間で、「俺に家族は作れるのだろうか」と考えている藤田でした。