転載:同人あるいは同人誌について

  ざもすきです。実のある情報の更新が全く無い当公式ブログでありますが、事実自分達の原稿執筆はおろか、編集実務の入口でもがいている状況です。ここは間をつなぐため、相方の指示により本日付ざもすき日記をまんまコピペさせていただきます。

  同人とは「同じ趣味や志をもった人」であるとするならば、「(唐突にその場で組まされた)二人一組で評論同人誌を制作し、自ら売り子となって販売せよ」というゼロアカ道場第四関門の課題は、その語義からするといささかおかしいといえるでしょう。しかしながら、他の門下生4組はその「お見合い」の過程から何らかの共通した趣味または志が見えてきますし、道場破り組についてはまさに「同人」そのものでしょう。つまり、同人とは何ぞや、というところから始めなければならないハンディキャップを負ったのは、組決めであぶれた二人である藤田−ざもすきペアのみに限られているようです。

  単純に年齢差では他組平均の3倍あり、かたや故郷で何かやらかして(詳細は聞いていません)逃げるように東京に出てきてブログ論壇の真ん中で腕を磨きつつプロの小説家・批評家を目指す藤田君と、東京の端っこで生まれ育ちいまだにその地元つながりのなかに安閑としつつ趣味で「楽しみのための旅行」について考えている私には、ほぼ接点がなく暫定チーム名も「メガネ」で括るしかなかったほどです。本来、当然に共有していなければならないはずの「批評家として講談社BOXから単著1万部デビュー」という最終目標でさえ、一方はあまり考えていないようです。

  そんな2人が、「同人」となって「同人誌」を作るためには何が必要か、議論はそこから始まりました。まずは、二人の問題意識や関心領域のすり合わせから。私としてはあまり思い出したくはない執拗な上から目線トークの果てに、彼が北海道から東京に出てきていながら北海道に自身の文学性の根っこを見出していること、そして私が「観光」を研究対象としていることから、「場所」をテーマとして、すなわち今を、そして今後を生きていくために「場所」が有する意味を考えて、1冊の同人誌にまとめるということになりました。

  生まれ育った「場所」、家族と暮らす「場所」、旅行で訪れる「場所」、あるいは「サイバースペース」、さまざまな「場所」に紡ぎだされる「物語」「批評」「楽しさ」「祈り」、、、二人で様々な視点から文章を書くことになりました。さらに、有償販売にふさわしい水準を確保するために、企画趣旨に沿って「この方に文章を書いていただきたい」「この方に話をうかがいたい」という思いで、各界でご活躍の方に原稿執筆やインタビューのお願いにあがりました。当初は二人で細かい調整はせずにそれぞれで突っ走ることにしていたため、その過程でかなりの迷惑をおかけしたりもしましたが、多くの方にご協力を賜っているところです。

  私たちは「同人」となりました。あとは原稿執筆と、編集・レイアウトだけです。